内湯の入口には、
[19時~21時 男湯、 21時~23時 女湯、 23時~ 混浴]
と書いてありました。
内湯に向かったのが20時ぐらいだったので、問題なく温泉に入れました。
男湯と女湯の区別も無いのか、と一瞬思いましたが、温泉はそれなりに広くて快適です。他に客もいないので、ゆっくり足も伸ばせました。
ただ、温泉に浸かりながら、考えました。
23時~ 混浴
男にとってこれほどの魅力はありません。ここの旅館は料理も不味いし、部屋も暗いし、サービスも悪いが風呂は日本一かもしれない・・・。
「おい!ここの風呂は、11時から混浴だぞ!」私は嬉しくて部屋に帰るなり、かみさんに報告しました。
「バカじゃない!女の子が入るわけないやろ!」一蹴されてしまいました。
しかし、私は密に期待しました。もしかしたら・・・。普段なら、ビールを飲みすぎて寝ている時間ですが、11時過ぎまで我慢しました。11時だとあまりにもいやらしい。11時30分になって向かうことにしました。(不思議と眠くならないものです。)
内湯の入口に向かいながら、かみさんの言葉を思い出しました。(そうだな、女の子が入るわけが無い。)
ところが、奇跡が起きました。脱衣所のところで浴衣を脱ごうとすると、2人の女の子のはしゃぐ声が聞こえてきたのです。
どっ、どっ、どうしよう・・・。心臓がバクバク揺れだしました。
普段はポイとかごに入れる浴衣をきちんとたたみながら、パンツ一枚で考えました。女の子達の声が響いてきます。
とっ、都会の女の子かな・・・。私が入っても平気なのだろうか?すっ、進んでるな・・・。
心臓の鼓動は止まりません。
どうしよう・・・・・・・・・・。
私は腹を括りました。パンツをきちんと四つ折りにして、浴衣の下に隠し、戸を開けたのです。