救命病棟を見ながら、江口君のような医者が今の日本にいるのかと思ってしまいます。
医者は患者だけでなく、その家族ともしっかりと関わって欲しい。
人の生死を立ち話で済ましてしまう医者がドラマではなく、現実にいるということは驚きでした。
医者に対して何も不平をいうことができない家族の一員としての私がいることも驚きでした。
医者の言葉、一つ一つに振り回され、素直に分からないことを尋ねるとバカにしたような薄ら笑い・・・。
はあ・・・。
私の誤解であることを祈ります。本当は素晴らしい先生でありますように。
ある日のことです。
しこたま飲んで帰ってきました。
ようやく記憶がある程度です。
私は、それなのに家の中を漁り、アルコールを探しました。
ようやく、料理酒を見つけ、コップに酒を注ぎました。
「うまい!」
深夜で1人、ウットリしていました。
家での飲みなおしは上手いものです。
つまみを探しました。
冷蔵庫には、ソーセージが・・・。
歯で噛み切り、マヨネーズをワイルドにつけながら、かぶりつく。
「うまい!」
それから、お気に入りの映画「アマデウス」のDVDを観る。(たぶん100回は観ている)
たいていの場合、そのまま寝るのですが、起きていました。
そして、お腹の調子が悪くなったので、トイレへ
すると、とんでもないことが起こったのです。
きばろうとして便器に身を任せると
私のお尻が、便器に引っ張られたのです。
「助けてくれー!」恐ろしさの余り、大きな声も出せませんでした。
実は中蓋を上に上げていたのです。
こんなことを1人でやっていたのでした。お尻はびっしょりでした。
お見舞いの途中で、タバコを吸いたくなったので、喫煙所に向かいました。
いつの間にか、病院内に喫煙コーナーはなくなり、どこの病院も外になりました。
喫煙所では、点滴をしたままの人、車椅子の人、お見舞いの人などで、ごった返しています。
車椅子で点滴のまま死にそうな顔でタバコを吸っているおじいさんもいます。
なにもそこまでして吸うことはないだろうと思ってしまいますが、そこがタバコ吸いの悲しい嵯峨です。
タバコを吸いながら、コーヒーを飲んでいると車椅子のおばさんに話しかけられました。
「お見舞いかね?」
「はあ。」
「ここの病院の食べ物はまずい。味付けをしてないんよ。」
「そうですか。」
「食えたもんじゃない。」
「塩分を控えめにしてあるんじゃないですか。」
「いいや。そういう問題じゃない。お兄さん!食ってみるかね!」
「いいや、いいです。」
「遠慮せんでええ!特別室だから(広い1人部屋です。)部屋においで!」
な、なんと、この年で初めてナンパをされたのです。
「これから用事がありますんで。」
「そうかね。」おばあさんは、残念そうに下を見ました。
私は罪な男です。